屋根塗装の工程を種類ごとに解説
屋根の塗装工程は、屋根の種類によって大きく異なります。そのため、屋根ごとに正しく工程を把握することで、安心して塗装工事を任せられるでしょう。本記事では「トタン屋根」「コロニアル屋根」「ガルバリウム鋼板屋根」の3種類の屋根の塗装工程を詳しく解説します。本記事の内容が、屋根の塗装の際に参考になれば幸いです。
トタン屋根の塗装工程
トタン屋根の塗装工程は、大きく4つのステップに分かれます。それは、ケレン、下塗り、中塗り、上塗りです。
ケレン作業
ケレン作業(下地処理)は、塗装前の下地処理工程です。古くなった塗膜をはがし、新しい塗料がしっかりと吸着するための準備を行います。特に、トタン屋根の劣化部分やサビなどを削り落とし、表面を整えることが重要です。この作業が不十分だと、塗料の密着が悪くなり、耐久性に影響が出ることがあります。
下塗り
下塗りでは、錆止め効果のある塗料を使用します。トタン屋根に適した下塗り剤として、エポキシ樹脂を使った二液反応硬化型のサビ止め塗料が選ばれることが多いです。この塗料は高いコストパフォーマンスと優れた錆止め効果を持っています。
中塗り
下塗りが完了したら、中塗りを行います。これは、紫外線に弱い錆止め塗料を保護し、塗装の厚みを増すことで屋根全体の耐久性を向上させる工程です。
上塗り
最後に、上塗りを実施します。中塗りと同じ塗料を使用して仕上げ、塗りムラを無くしつつ、さらに塗膜の厚みを増して耐候性を高めるのです。上塗りがきれいに仕上がることで、トタン屋根は美しい見た目と長期間にわたる保護機能を持つようになります。
コロニアル屋根の塗装工程
コロニアル屋根の塗装工程は、高圧洗浄、縁切り、下塗り、上塗りという4つの主なステップから構成されています。
高圧洗浄
最初の工程である高圧洗浄では、屋根に付着した苔や汚れを強力な水圧で洗い流します。この作業は、屋根と塗料の密着性を高めるために非常に重要です。汚れが残っていると、塗装の耐久性や仕上がりに悪影響を及ぼす可能性があります。
縁切り
高圧洗浄が終わると次に「縁切り」を行います。これは、タスペーサーという部材を使って屋根材の間に隙間を作る作業です。タスペーサーを設置することで、雨漏り防止と屋根材の通気性が確保されます。縁切りは、屋根材が重なり合う部分に水が溜まりやすくなるのを防ぐために重要なプロセスです。
下塗り
下塗りは、上塗り塗料がしっかりと屋根材に密着するための下地を整える役割を果たします。適切な下塗りを行うことで、塗料が剥がれにくくなり、塗装の耐久性が大幅に向上します。
上塗り
最後に、上塗りを行います。上塗りは通常2回実施され、1回目を中塗りと呼ぶこともあります。上塗りは塗料のムラをなくし、屋根全体に均一な塗膜を形成するための最終仕上げです。これにより、屋根は紫外線や雨風からの保護機能を持ち、長期間にわたる耐久性と美しい外観が保たれます。
ガルバリウム鋼板屋根の塗装工程
ガルバリウム鋼板屋根の塗装工程は、ケレン、下塗り、中塗り、上塗りの4つのステップに分かれています。
ケレン作業
最初の工程であるケレンでは、屋根材に研磨作業を行います。研磨することで表面に細かい傷をつけ、塗料の密着性を高めることが目的です。特に古い塗膜がある場合は、この作業が重要です。
下塗り
次に下塗りの工程です。下塗りは、上塗り塗料がしっかりと屋根材に密着するように、ローラーを使って塗布します。段差など、ローラーでは難しい部分は刷毛を使って塗ります。
中塗り
その後、中塗りを行います。中塗りでは、塗膜の均一性を確保しながら、屋根全体に塗料をしっかりと密着させます。
上塗り
最後の上塗りでは、塗料の厚みをつけます。色ムラがなく美しい仕上がりにすることで、耐久性や美観を向上させます。
まとめ
屋根塗装の工程は、屋根材の種類によって異なり、それぞれに適した手順を理解することが重要です。トタン屋根は、ケレン作業による下地処理から始まり、錆止め下塗り、中塗り、上塗りで耐久性と美観を高めます。コロニアル屋根では、高圧洗浄と縁切りを行い、塗装の密着性と通気性を確保します。ガルバリウム鋼板屋根は、研磨による表面処理と塗膜の厚みを調整する中塗り・上塗りで仕上げ、耐候性を強化します。それぞれの工程をしっかりと行うことで、長期間にわたり美しい屋根を保つことができます。
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引用元:https://www.coop.ne.jp/