モルタル外壁のひび割れが気になる!補修方法・費用はどれくらいかかる?
モルタル下地の外壁は日本では1990年以前の家屋に多く採用されていました。現在では、強くてしなやかな板状の外壁材「窯業系サイディング」が主流になっています。モルタル壁でもっとも注意したいのは、ひび割れが発生しやすいという点です。この記事では、そんなモルタル外壁の補修方法や費用などを解説します。
モルタル外壁ってどんな外壁?
モルタル外壁とは、水とセメントと砂を混ぜ合わせた素材で作られた外壁のことです。意匠性に優れていて、味わい深い仕上がりになり、耐火性にも優れ、更には外壁同士の継ぎ目がないためコーキングの補修が不要といったメリットもあります。職人の技術力がはっきりと現れ、模様やパターンのバリエーションも多いため、顧客の希望に沿った仕上がりが可能な外壁といえます。
モルタル外壁のひび割れを放置すると危険
モルタル外壁に発生するひび割れの種類は、主に2種類あります。そのひとつは「ヘアークラック」といい、その名の通り髪ほどの太さ・長さのひび割れです。目安としては、太さは0.3mm、深さは4mm程度までになり、この規模であれば、比較的簡単に補修できます。建物の構造、内部の鉄筋などに影響を与えることはないのでメンテナンスの緊急性は高くありません。
ヘアークラック以上の大きさになると、すべて「構造クラック」と呼ばれるようになります。この構造クラックと呼ばれるまでひび割れが進行すると、補修も簡単には行えなくなります。そして構造クラックは、家屋に損傷を与えている可能性もあるのです。壁の寿命は定期的な補修や塗装を行っていた場合はおよそ30年ともいわれています。モルタル外壁もまた年月と共に劣化し、表面に施された塗装の防水機能などが低下してしまいます。
そしてこれらのひび割れからは、水をはじめとした不純物が、壁の内部に入っていきます。そのためひび割れを放置すると、最悪の場合は壁面全体の劣化が早まり、壁が崩れてくる可能性があるのです。モルタル壁の表面に触れた時に、手にチョークの粉のようなものが付着する症状を「チョーキング」といいます。
これは紫外線により塗料に含まれた樹脂が劣化し、防水機能が失われた状態です。チョーキングが発生した壁は、壁そのものがメンテナンスの時期を迎えたサインでもあるのです。劣化した壁は、弱い部分から崩れてしまいます。壁が崩れた場合は、壁全体を交換する大規模な工事が必要になり、その場合は、再塗装よりも多額の費用が発生することになります。
モルタル外壁の補修方法や補修費用
ヘアークラック程の規模のひび割れの場合は、コーキングで補修する方法と再度塗装する2つの補修方法があります。コーキング補修は、ひび割れの部分をピンポイントで補修する方法で、費用はあまり掛かりません。
一方で再塗装すると費用はかかりますが、見た目や耐久性が大きく回復します。また、最初にひび割れ周辺の汚れを落とし、ホームセンターなどで販売されているパテや充填剤といった道具を使えば、DIYのように自分で補修することも可能です。しかしながら、ひび割れが構造クラックにまで拡大してしまっている場合、補修にかかる手間は大きくなります。問題の起きた箇所を電動工具などで削り、シーリング材などで充填し修繕していくので、費用も高額になります。
完全にモルタル外壁が破損している場合や、ひび割れの状況や数次第では、家全体を一度専門家にチェックしてもらうことが必要です。そしてモルタル外壁の補修費用は、約60万から80万円程度の予算が必要になります。この中にはモルタルの再塗装にかかる費用以外にも、足場を組んだり外壁を洗浄したりする費用が含まれます。
まとめ
モルタル外壁は職人ならではの味わい深さが楽しめ、耐火性などのメリットも大きいものの、ひび割れしやすいという弱点を持っています。しかし、しっかりとメンテナンスを行えば何年も楽しむことができるのです。一度、自宅を目視で点検して、ひび割れがないか確認してみてください。そしてひび割れやクラックを見つけた場合は早めに対応しておくことが、結果としてご自宅を守ることにつながるのです。
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引用元:https://www.coop.ne.jp/